
自分らしい人生を進むために
魅力や価値を伝え続けるカウンセラー
はくじひろです。
ココロノマルシェのご相談に回答いたしました。
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「触れたくないけど、そこにある」心のしこりの正体
たぬきそばさんからのご相談です。(相談文はこちら)
なんとなく苦しいです。
私は今、35歳です(あ、女性です)。
今思えば10代半ばからなんとなく「生きづらい。苦しい」と感じておりました。
今も漠然とした苦しさは続いており、閉塞感があります。上手く言えないのですが、漠然とした苦しみはなんだか認め難く、今ここでこうやって言葉にするのも憚られる心境です。
自身の中にある苦しみやつらさ、痛みを認めたくないのです。
心について自力でいろいろ調べてきた結果、「感情は抑えつけずに感じ切ったほうがいい」というのも知識や理屈では知っているのですが、どうしても自分の中にある負の感情を認めることができません。
そうやって自分の感情から逃げているから、漠然とした苦しみが続くのでしょうし、自分が具体的にはなにで悩んでいるのか不明瞭なままなのだと思います。
私みたいな人間の場合、少しずつ感情を吐き出していって気持ちの整理をしていくのが一番なのでしょうか?
先生方のお知恵を貸してください。よろしくお願いします。
漠然とした苦しさや閉塞感って、
はっきりとしないからこそどう扱ったらいいか分からないものですよね。
でも、なんかある、と感じるから見過ごすこともできずに、触ると指に感じるしこりのような違和感もある。
長年の生きづらさや心の違和感を抱えている方にとって、
なんとなく苦しいという感覚は、はっきりした原因がない分、
感情の整理が難しくなりがちです。
今回は、そんな「何か」の扱い方を段階に合わせてお伝えできたらと思います。
>私みたいな人間の場合、少しずつ感情を吐き出していって気持ちの整理をしていくのが一番なのでしょうか?
これはその通りです。
ただ一番かどうかはその人それぞれなのと、
これをすぐにパッとできる人と、そうでない人がいますよ、という部分をまずは一旦理解してもらえたらいいな、と思います。
わたくし、はくじひろは心で感じる「感情」を頭で理解していたことがあるので、
まずは感情を感じることが必要でした。
さらに「吐き出すこと」はダメだと心の奥で思っていたので、
吐き出す程度をコントロールしていたこともありました。(思い切り出せない)
なので、「一番いい方法」を行うまでに、
先にやらなきゃならないことが山ほどありました。
なので、自分にとって「一番(先)にする方法」を見つけると早いかもしれません。
「私みたいな人間」とは誰かを見つけるプロセス
そうすると、たぬきそばさんのいう「私みたいな人間」ってどんな方なのかな、
というところから始めるのはどうでしょう。
ご相談文より
・10代半ばから(20年ほど)「生きづらい。苦しい」と感じている
・閉塞感がある
・自身の中にある苦しみやつらさ、痛みを認めたくない
・負の感情を認められない
・自分の感情から逃げている
10代半ばから、長いですよね。
ずっと苦しさと一緒にいるって。
「苦しさ」が目に見えて手に取れるものだったら切り捨ててしまいたくなると思うんですが、長い間この状態にあるってことは、
決して自分の感情から逃げてはいませんよ
なので、まずは逃げているとは思わずに、
長い間「それ」と一緒にいようとし、今こうして相談してくれていることが、「それ」と向き合っていることの証です。
「感情」を感じずに、または感じられずにいる状態って、自分を守っているとも言えます。
でも、どこかで向き合わなければと思うならば、
自分の守り方を変えようとするエネルギーが湧いてきていると捉えます。
たぬきそばさんの中で変化が起きている可能性だってあり得ます。
10代でつくられた“もう一人の私”と再会する
さっきから「それ」って何なのかってことですが、
それとは「もう一人の私」です。
もう一人のたぬきそばさんと捉えてください。
>上手く言えないのですが
はい。上手く言えなくて当然なんです。心の世界なので。
でも、「心の成長」という部分では、
誰もが通るプロセスなのでお伝えしておきたいことがあります。
>今思えば10代半ばからなんとなく
10代前半から半ばにかけて、人はアイデンティティを確立する時期なんです。
周りの仲間も、個性を出していきます。得意不得意なんかも分かってきて、自分と皆んなを比較してその違いや同じ部分を認めながら「自分はこんな人間」っていう自分らしさ作り上げていく時期なんですね。
アイデンティティは未完でいい。更新し続けられるから
確立とは完成ではないので、その後も色んな経験を通して「自分の要素」を修正したり追加して行けます。
でも、上手く確立できない時もあります。
・(比較する)仲間と一緒に過ごせなかった
・やりたいことができずにいた
・誰かのイメージを押し付けられてしまった(親、教師、兄弟など)
このような経験をすると「もう一人の私」が表に出てこれなくなってしまいます。
今の「私」が出ないように抑えている場合もあるし、
「もう一人の私」が逆に出ないように我慢している場合もあります。
たとえば、「もう一人の私」は、怒りを押さえてぎゅっと手を握りしめている子どもや、困った様子で何も言えない女の子などをイメージしてもいいです。
「今はまだ見ない」も大事な選択
さて、こんな風に考えると、たぬきそばさんの場合はどうでしょうか?
とはいえ、「もう一人の私」を認識して向き合うとなると、怖いんです。
どんなものが出てくるか分からないし、嫌だと思っていたらなかなか見ることができないんです。
もし、「もう一人の私」を認めたくない、向き合いたくないと感じるのであれば、
今はまだそのタイミングではないと思っても大丈夫です。
それは逃げるのではなく、ただ一緒にいることを選択します。
もう一人の私を掘り下げる
その後、
「もう一人の私」が持つ感情と向き合うことができそうなタイミングになったら、
対処方法はいくつかあるんです。
「私」が、「もう一人の私」を出ないように抑えている場合は、
抑えている力を緩めて少しづつ出していくイメージを持ってみると良いです。
「もう一人の私」が出ないように我慢している場合は、
出てきてもいいよと許していくイメージを持ってみてください。
これが感情に寄り添うことでして、感情も出やすくなります。
「もう一人の私」についてももう少しお伝えします。
「もう一人の私」って捉えどころがないので、怖いというイメージを持ちやすいんですが、
実は今の「私」を守っている場合があります。
「もう一人の私」が担っている感情が「負の感情」であるほど、
たぬきそばさんが傷つかないように、嫌な思いをしないようにと守っていて、
表に出ずに我慢している可能性もあります。
「抑えてる私」と「我慢してる私」どちらの声も大切に
>自身の中にある苦しみやつらさ、痛みを認めたくない
ここの意思って強いと思うんです。
でも、今の「私」が認めたくないとも読めます。
そうすると「苦しい」と感じているのは誰なんだろう、となってくるわけです。
ややこしいですよね。
ならば、感情を吐き出す前に、
「認めたくない」思いを否定しないことも大事なことだったりします。
その上で「漠然と感じる苦しさ」はそのまま感じ、寄り添ってみてはどうでしょうか。
「認めたくない」けど「ある」
「苦しさ」も「ある」
そういう、だた「ある」ことを否定せずに意識することも
感情を吐き出す前に必要です。
例えば、胸に手をあてて「ここにあるんだね」と言いながら深呼吸するだけでもOKです。
最後に
相談文を頼りに「感情を吐き出していって気持ちの整理する」ために必要なことをお伝えしました。
もし、できそうなら(苦しかったらやらなくても大丈夫です)
アイデンティティが育ち始める10代を振り返って
・私ってどんな人間をもう一度捉え直してみる
(アイデンティティはいくつになっても修正、確立できますよ。その始まりが10代初めってことです)
・もう一人の私がいるなら、それはどんな私を考えてみる
・「認めたくない」思いも大切な思い
・「認めたくない」ことも「苦しさ」も「ある」ことを一旦受け入れる
「感情から逃げている」わけではなく、
むしろ「私」と「もう一人の私」を統合せずに共存している可能性もあります。
なので、統合を目指すなら「感情を吐き出していって気持ちの整理する」こと
共存を目指すなら「ある」を受け入れていくこと
こんな感じでご自分なりに段階(ステップ)を作ってみてくださいね。
苦しさは、あなたを否定するためのものではなく、
あなたがあなた自身に気づくためにそばにいてくれたのかもしれません。
焦らず、ゆっくりと。
「もう一人の私」にそっと寄り添ってあげるところから、始めてみませんか。
ご参考くださったら嬉しいです。お読みくださりありがとうございます。
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